第11回アートカフェリポート
2月11日(土)午後2時から、「第11回アートカフェ in 造形大」が、長岡造形大学の大講義室にて開催されました。
同大学の美術・工芸学科助教、藪内公美先生を講師に迎えての今回のテーマは
「なにを考えてつくっているの?─鍛金の技法と素材から─」
でした。タイトルに「技法」という言葉が入っていますが、今回はそもそも作家がどのようなことを考えながら作品と向き合い、創作をしていくのか…という内容で話が進みました。
中でも印象に残ったお話は、創作環境に起きたちょっとしたトラブルを、新たな表現へとつなげていったエピソードです。
鍛金は金属を金槌で叩いたり、打ちのばしたりして、作品を作る技法のため、どうしても製作時には音が出てしまいます。そのため事情があって夜間に創作ができなかったとき、フラストレーションがたまってしまったのだとか。時間を持て余した藪内先生は美術書などを読み、そのときに出会った「イギリスの伝統刺繍」という本がきっかけで、刺繍を取り入れた新たな作風をつかんだそうです。
ほかにも自然科学、ミステリー小説など、多くの書籍から得た情報を、表現の糧にしていったなども興味深く、あっという間の1時間でした。
アートカフェの後は、恒例の長岡造形大学の卒業展を巡るギャラリーツアーです。今年も見応えたっぷりでした。
ガイドをしてくれた2年生からは「先輩たちがギリギリまで時間をかけて頑張っている姿を見ていました。細かいところにも工夫がこらされているので、ぜひ見逃さないでほしいです」とメッセージをもらいました。